こんにちは。ビッグバイオ研究部のtsuです。
全国的に梅雨の時期に入りましたね。梅雨の時期はどのようにお過ごしでしょうか?
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今回は微生物の未来、その5 化学肥料と農業と微生物と題し、微生物が土を作り、植物を育てる未来を見てくことにしましょう。
読み終わるころには、微生物の新たな可能性を知っていただけると思います!
前回の「その4 微生物が産生するチトクロームP450」をまだご覧になっていない方は、こちらからお読みいただけます。
次のグラフを見てください。
Fig. 1 単位面積あたりの農薬使用量の比較
Fig. 2 単位面積あたりの化学肥料使用量の比較
Fig. 1は1haあたりに使われる農薬の量を7ヶ国で比較したグラフです。
日本における農薬の使用量は、国際的にもトップクラスの使用量になっています。
欧米諸国に比べ、非常に多くの農薬を使っていることがわかります。
また、Fig. 2は1haあたりに使われる化学肥料の量を7ヶ国で比較したグラフです。
化学肥料も欧米諸国と比較して多いことがわかります。
これらの結果からもわかるように、規制の厳しい欧米諸国と比べると、日本の農業は農薬や化学肥料に頼っていると言えます。
ここで問題となるのは、化学肥料や農薬の使用量だけではなく、これらが長い期間使われた土壌についても議論する必要があります。
化学肥料や農薬を長期間に渡って使ってきた土壌は、非常に栄養源が低く、思いも寄らない影響を植物にもたらすことが言われています。
そして土壌に散布された農薬も分解が追いつかず蓄積してくのではと言われており、土が非常に弱った状態になっていると言えるでしょう。
こういった影響が出ている土壌を使って、いきなり有機農業を始めようとしても、土壌中の栄養の元になる物質が乏しいため、なかなか成果が出ないと考えられます。
有機農業が成功しない一因もここにあるのではないでしょうか?
最近の報告では、立命館大学生命化学部の久保らによる調査において、「化学肥料と農薬を使ったここ50年間で、ニンジンのビタミンA含有量は約1/3、ほうれん草のビタミンC含有量は約1/4以下に減少している」ということがわかってきています。
有機農業とは、「農薬や化学肥料に頼らず、自然な土作りをしてから農産物を作る農業形態」です。2006年に「 有機農業推進法」が策定され、この法律の中に次の条件が定義されています。
- 化学的に合成された肥料や農薬を使用しない
- 遺伝に組み換え技術を利用しない
- 農業生産に由来する環境への負荷をできるだけ低減している
この3つの条件をクリアした農法のことになります。
無農薬栽培と混同される方も多いと思われますが、有機農業と無農薬栽培との違いは、無農薬栽培は農産物を作っている期間中に農薬を一切使わないのに対し、
有機農業では、「有機」と認められた農薬のみ使用できます。つまり有機農業=無農薬ということではありません。
有機農業は農林水産省の傘下にある認定機関が許可を出しますが、無農薬栽培は第三者機関による認定はありません。
そのため、優良誤認を防ぐため、「無農薬」や「無化学肥料」などの表示は禁止されています。
化学肥料を慢性的に使用した土壌と人の手が入っていない自然の土壌との大きな違いは「微生物」と言われています。
かつては、落ち葉や糞尿などの有機物を土壌中の微生物が無機物に分解し、その分解物を使って植物が育っていました。
しかしながら、化学肥料は分解されずに植物に吸収されるため、土壌中には微生物の餌になる有機物がなくなります。
そのため、微生物が生きていけない環境になっているということになります。
先述の立命館大学生命化学部の久保らによる調査によると、日本には微生物が計測できない農地が少なくないと言っています。
その結果、微生物がいない土壌では植物病原菌や害虫が出やすくなるということになります。
これらのことから、先述したように、いきなり有機農業を始めても農産物が育たないので、持続的な農業ができないということになります。
農業は収穫物の収量も大事ですが、持続することも非常に重要です。
それを解決するための中心的な存在として、「微生物」が重要なキーパーソンと言えるでしょう。
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今後、大きな改良を加えて、より多くの農家様にご利用いただけるように考えています。