FABミストは、かなーりユニークな製品なのでした(その2)
こんにちは
研究開発室のcobaです。
すっかり朝晩は寒くなりましたね。いつも思うのですが熊本には秋がありませんね。
いつも一気に冬だし。
さてさて、今回は「その2」ということで前回のブログの続きになります。
②有効成分は有機酸が結合したもので、多様な分子構造が多様な機能を発揮します。
前回の最後にこのように説明しましたが、まずはFABミストの消臭効果の多様性発揮の一端から続けていきます。
消臭効果に関しては、基本的に有機酸は酸なのでH+を持っておりアンモニア(NH3)とイオン結合することによりアンモニウム(NH4)に変化させて瞬時に消臭します。ここはわかりやすいですよね。
また、酢酸などの酸に対する消臭効果も高いのですが、有機酸のC=Oの二重結合間にプラス電荷とマイナス電荷の分極が起こり、この分極が酸の側の同じ二重結合部分と対になって分極結合すると考えられます。ホルムアルデヒドなども同様の機構で消臭可能と考えられます。
石油系に関しては環状の乳酸オリゴマーの疎水部分に引き寄せられ分子間力による結合により消臭されると考えられます。また、環状のサイズが大小様々なのでいろんな疎水性のニオイ成分を捕まえることができます。
以上まとめますと
①イオン結合
②分極結合
③分子間力
などの様々な結合様式によりFABミストは多様な消臭成分に対して幅広い消臭効果を発揮するのでした。
なんて偉そうに書いてしまいましたが、実は原料供給元の技術アドバイザーに大学の先生がいて、FABミストの消臭メカニズムに関して「なんで効くのか?」を質問攻めにしてこちらの疑問点についてしっかり回答をいただいたのでした。
私も化学にはそんなに明るいほうではないので、自分ではこんなこと考えつきませんw
消臭メカニズムについてはここまでで、後半はFABミストの特筆すべき特徴である、
「効果の持続性」について説明していこうと思います。
簡単に言うとFABミストはスプレーした瞬間だけでなく、スプレーが乾いたあとでも抗菌効果は持続するということです。
これについては簡単な実験で証明できます。
まずFABミストをシャーレにスプレーします。
こんな感じに
次にシャーレを自然乾燥します。
1週間乾燥させると水滴はなくなり成分は乾いた状態になります。
でも有機酸の性質から成分はその場に残っています。
次にこの状態でカビの胞子をスプレーして、30分待ってカビ検出用の栄養満点の寒天培地を押し当てて培養します。
するとこのように全くカビは検出されません。
つまりカビ胞子はしシャーレ表面に残っている有機酸で死滅したといえます。
一方、比較対象のFABミストをスプレーしなかったシャーレでは
このようにしっかりとカビのコロニーが確認されました。
よってスプレーして乾いても防カビ効果が持続するといえます。
同じ効果はカビだけでなく大腸菌でも確認され、防カビ効果と除菌効果の両方の持続性が確認されました。
いやいや、これは実験しててかなり興奮しましたね。有機酸の特徴から揮発しないのでその場に残ることは予想していましたが、ここまで強い効果を発揮するとは思っていませんでした。
現在世の中に流通しているアルコール系や塩素系の抗菌成分は、確かにスプレーした直後の効果はすごいものがありますが、揮発性の成分なのでその場にとどまって効果を持続することは難しいです。(残存性がある抗菌成分も無いわけではないですが、個人的には衣類やソファーなどの肌に触れるものには使いたくないかな。。。)
スプレーして乾いた成分が残留して大丈夫?とご心配の方もおられるかもしれませんが、FABミストは食品素材を原料としていますので残留して危険なものは入っていませんので安心してお使いいただけます。
この多機能で持続性のあるFABミストを、開発担当者としては是非ともいろんな場面に活用してほしいですね。
そのためにも、これからも地道に基礎データを蓄積していきたいと思います。
coba
製薬メーカーからの転職組で研究部で働いています。週末は釣りばっかりしてます。 オミクロンは感染力が強くてなかなか厄介ですね。まあ春が来ない冬は無いのでもうしばらく辛抱しましょう。