社員ブログ

乳酸菌ってどんなもの?

こんにちは。研究担当のma-miです。

 

皆さん、年末年始はいかがだったでしょうか?

今年の年末年始は1週間のお休みがあったので、お休みモードを抜け出し

仕事モードに戻すのが大変ですね~

新しい気持ちで1年頑張ります !(^^)!

 

弊社では納豆菌の仲間のバチルス属細菌をよく扱っているのですが、

もっと他の種類の微生物も扱えるようになりたいと思い、昨年秋に乳酸菌のセミナーに

行ってきました。

そこで、そうだったんだ!と思ったポイント3つを中心に乳酸菌の話をしたいと思います。

 

乳酸菌とは、炭水化物(糖類など)を発酵してエネルギーを獲得し、多量の乳酸を生成する一群の細菌の総称。

消費した糖から50%以上の乳酸を生成する。

学術的には、乳酸菌の代謝は乳酸しか作らないホモ発酵と乳酸以外の物質も作るヘテロ発酵がある。

乳酸菌は乳酸だけを作っているわけではないんですね~。

 

ここで、ポイント1つ目!!

ビフィズス菌は乳酸の産生量が50%に満たないため厳密には乳酸菌ではなく、乳酸と多量の酢酸を生成し、

枝分かれやV字、Y地など多形性桿菌である。

 

ビフィズス菌は乳酸菌だと思っていましたが、学術的な定義からは外れるもののようです。

実用的には乳を発酵する菌として、乳酸菌として含めている場合が多いらしいです。

 

そんなビフィズス菌を見てみたい!と思って、

ビフィズス菌入りのヨーグルトを顕微鏡(1000倍)で見てみると、こんな感じ。

乳酸菌みたいなものは見られますが、ビフィズス菌は判別できない・・・

まだまだ修行が必要なようです。(;^ω^)

 

乳酸菌は、MRS培地やGYP培地が良く用いられ、好気性細菌とは異なり、糖以外にタンパク質、アミノ酸、核酸、ビタミン、微量塩類、脂質など多数の栄養源が必要。

ここで、ポイント2つ目!!乳酸菌はアミノ酸を合成できない。ということ。

 

アミノ酸を合成できない=菌体外から取り込む必要がある

⇒タンパク質分解系の酵素を持ち、熟成タイプのチーズでは味や風味を決定づける。

乳酸菌の生きる知恵が食品の味や風味を決定づけることと結びついているんですね。

 

また、セミナーではカスピ海ヨーグルトで有名なクレモリス菌、

典型的なヨーグルトのブルガリア菌、サーモフィラス菌を用いてヨーグルトを試作しました。

 

ポイント3つ目!!

同じ牛乳でも菌株が違うだけで違ったものが出来上がる

          

カスピ海ヨーグルトは、まろやかな酸味でなめらかな食感。

一方、ブルガリア菌、サーモフィラス菌では酸味が強くざらつき、固めという評価でした。

同じ牛乳を用いて添加する菌株だけ違うだけなのに、おもしろいですね。

ちなみにブルガリアヨーグルトはよく食べているので、いつもの味だと思って安心しました。

 

菌株の種類によって性質が異なることはバチルス菌でも当てはまることですが、

防カビや有機物分解は食べることでは感じられないので、

乳酸発酵の産物であるヨーグルトの官能評価を通じて菌株の性質の違いを感じることは

新鮮な体験でした。

 

多様な微生物を使いこなせるように、今後も探求していきます。(^^)/


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